事業復活支援金事前確認を通しての考察

6月14日に事前確認締切を終えて、1か月半が過ぎました。

私が事前確認を実施した申請者の審査はすべて完了したようです。

残念ながら全員給付というわけにはいきませんでしたが、多くの方が無事支援金を受給されたこと、嬉しく思います。

平日の夜、ZOOMのみと、限られた条件での活動ではありましたが、今回の事前確認を通して感じたことを簡単に書き残しておきたいと思います。

まず、申請者の属性ですが、8割が個人事業主、2割が中小法人でした。年代は、30代・40代を中心に20代前半から80歳近くまで、幅広かったです。

申請者の売り上げ減少の要因ですが、事前確認でヒアリングした結果、⑥の取引先の影響に伴う二次的な影響が最も多く、次いで③の新しい生活様式への移行が多く、⑨の国・自治体による就業制約はゼロでした。

売上減少の要因の選択肢

①国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少

②国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少

③消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行に伴う、自らの財・サービスの個人需要の減少

④海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制に伴う、自らの財・サービスの海外現地需要の減少

⑤コロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少に伴う、自らの財・サービスの個人消費機会の減少

⑥顧客・取引先が①～⑤又は⑦～⑨のいずれかの影響を受けたことに伴う、自らの財・サービスへの発注の減少

⑦コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な財・サービスの調達難

⑧国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な取引や商談機会の制約

⑨国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な就業者の就業制約

 

法人より個人事業主が多かったのは、予想どおりでした。確定申告等を自ら行っている且つ金融機関から融資を受けていない、商工会議所等とも付き合いがない個人事業主の方からの依頼が多かったようです。

そういう場合、登録確認機関のリストを1件ずつあたるか、ネット検索でヒットした機関をあたるか、地道に探すしかなく、更に無料であることを条件に探している場合、なかなか見つからず、事前確認の時点で疲れてしまう申請者の方もいるようでした。

年代は、夜間のZOOM限定だったので、もっと若い世代に集中するかと予想していました。70代以上の方は、ご家族にサポートしてもらっているケースが多かったですが、一人でサクサクこなしている方もいらっしゃり、年代が上がるほどITリレラシーは個人差が大きいと感じました。

一つ気になったのは、若い方でも、個人情報提供に対する警戒心が低いということ。私が行政書士なので信頼してくださっているのだと思いますが(もちろん私は悪用したりしません)、ご自身の情報を提供することに、もう少し慎重になってもよいのでは？と思ったことが何度かありました。なるべく電子データなど、簡単に転用・流出できてしまう形で共有しない方がいいです。

売上減少の要因については、コロナ禍でご自身のビジネスの需要自体が減ってしまったこともあるのでしょうが、個人事業主は取引先から仕事をもらっていることが多く、取引先の都合や影響が増幅した形で跳ね返ってくるのだろうか？と感じました。

次に多かったのが、新しい生活様式への移行ですが、どちらも自分ではどうにもできないから仕方がないと片づけないで、深く掘り下げて対策を考えることが大事だと感じました。今ならコロナからの復興支援として、新規事業や新規販路開拓を考えている小規模事業者には、助成金や補助金、融資など国や自治体の様々な支援があります。検討してみても良いと思います。

最後に、事前確認を無料で実施したことで、沢山の申請者と面談することができ、大変勉強になりました。

世の中には、こんなにも多様な仕事があり、沢山の方がご自身の好きなことを仕事にされて、頑張っているのだということを、リアルに感じることができたのは、このコロナ禍で本当に貴重なことだと思っています。

私も好きなことを仕事にできて良かったと、改めて幸せな気持ちになりました。

多くの申請者から、夜遅くに対応していただき、ありがとうございますと言っていただいたのですが、私の方こそ、お礼を申し上げたいです。ありがとうございました。

どうかコロナなどに負けず、今回面談をしたすべての方が、好きな仕事を続けていっていただきたいと、心から願っています。